学部1年生から見た先端材料理工学科の研究

先端材料理工学科では学部1年の前期に,学科の全研究室を見学して回ります.その見学レポートから研究内容に関する部分を抜粋しました.学部1年生のレポートですので内容に誤りが含まれていることもありますが,研究の雰囲気を感じ取ってくれたらと思います.


キーワードをクリックして下さい!(キーワードは随時追加していきます)
超伝導体発光・蛍光体超高速半導体圧電体機能性無機化合物

超伝導体

酸化物高温超伝導体
超高速かつ超低消費電力で動作可能な演算素子としての応用が期待されている伝導体
初めに様々な結晶を見せてもらい、太陽の光を当てると色が変わる結晶や紫外線を当てると光る結晶にはとても驚きました。また、レーザー光を一点に集めることによって高品質の結晶を作る機械があり、こうやって結晶を作るのかと知った。当研究室では酸化物超伝導体を単結晶化する研究をし、次世代の高速電子デバイスやメモリー素子などへの応用が期待されるということで更なる電子技術の進化に繋がるすごい研究だと思った。

最初、石を作って遊ぶところだと聞いたときは何を学べるのか疑問に思ったけど、単結晶
を作ることで電流や光の進み方や大きさなどがわかったり、他の物質を混ぜると色など
が変化するのを知ってとてもおもしろそうだと感じた。また、結晶を作るのにそれだけの熱
を生み出してそれに耐えられるように設計されているのも知って勉強になった。

単結晶を作るために2000度を超えた物質をどう扱うか。
まずランプの光を楕円形をした鏡で集めて物質を溶かす、それを冷やして結晶にする
までずっと棒と棒の間に表面張力を使ってドロドロの高温物質も存在するため容器が必要
ないのだと分かりました。すごい発想だと思いました。

発光・蛍光体

結晶構造から見た蛍光体の光学特性
特性には、光学的特性・電気的特性・磁気的特性・吸着特性・機械的特性がある。
研究テーマである蛍光体とは、エネルギーを与えることで可視光を発するものである。
エネルギーとは周りに対してどれだけ影響を与えるかを示す値であり、物質はエネルギーの少ない「楽」な状態に落ち着こうとする。不安定な状態から安定な状態になる際に、そのエネルギー差が発光に使われる。
研究では主に、蛍光体の合成を行っている。

蛍光体には希土類が使われている。希土類は地球上に偏在しており貴重で価格が高くなりやすい。そこで、希土類を使用しないでも発光可能な素材を研究している。

結晶を作り、その結晶が不安定な状態から安定な状態に進む時に発する光を観察し、調べる。
物質は全て楽な方向へ進む。それはすなわち、より安定になる方向であり、かつ、エネルギーが低くなる方向である。ここでは、結晶をあえてエネルギーを加えることによって不安定な状態にし、安定な状態に戻ろうとする過程で放出されるエネルギー、発光をみる。
発光する結晶の一部(原子など)を変えると蛍光の色が変わるので、どういう結晶がどんなふうに光るのか、どういう原子にするとどんなふうに色が変わるのか、それが何の役に立つのかを研究している。

超高速半導体

ゆっくり低温で結晶を作る(シリコン)
層にすると性能の良いデバイスが作れる

なぜ装置には沢山の部屋があるのか?
 不純物を入れないため。風で洗浄したり、水で洗浄するので沢山の部屋が必要。
小さいシリコンを作るのにあんなに大きな装置を使うことは初めて知りました。

紫外線を当てて発光する不思議な四角い物体や、3色に光る分光器みたいなものや、融点が高い物質をアルゴン二ウムにたたいて飛ばし、基盤に堆積させる装置などさまざまな実験装置を見ることができてうれしかった。学会発表が主な目的の研究室みたいだけど、すごく研究生のことを考えてくれているのだなと感じた。今まで見た中で、一番大きな装置があり、興奮した。真空圧がものすごく高い実験装置で結晶を低い温度で一秒間に一元素の層を作るらしい。自然界にないものを作るのも魅力的だった。トランジスタっていろいろなものに使われているけれど、実際にどれだけのものが年間使われているのか、また、どんな性能のものがあるのか知りたい。

半導体の結晶を、人工衛星が回っているところの十分の一くらい、真空の状態でゆっくり結晶を作る(1原子層/秒くらい)ことで低い温度で結晶が成長できる。
→原子と原子の拡散を抑えられる。
→自然界にないものを作ることが出来る。(自然界でできる結晶は、原子と原子が拡散していてきれいな原子の層はあまり見られない)
これによって、スピードがとても速いトランジスタを作ることが出来る。

圧電体

最初に熊田研の武井教授が研究内容の紹介として圧電体という物体の説明をして下さった。これは名前が示す通り、圧力を加えると電気を流すというもので、従来のものは鉛が含まれているのが一般的だという。しかし鉛は人体に悪影響を及ぼすことがわかっているため、現在は代替物質として”鉛フリー圧電体”なるものを開発している。また、研究室のコンセプトとして武井教授曰く「新しい機能性材料は新しい構造からできる」とおっしゃった。実際に研究している物質は粉であるが、粉を研究していくメリットは作りやすい事であるらしい。簡単に出来ることは新しい結晶構造を作りやすい、即ち、肉眼では粉のように見える小さな結晶構造の研究を進めていくと、それが新素材の開発に繋がるということだ。

圧電体は圧力を加えると光るものと電気を加えると振動するものの2種類存在する。圧電体は主に、鉛やジルコニウム、チタン、酸素からできている。熊田研では、鉛が入っていない圧電体を作ることを目指している。圧電体の仕組みの中の物質についてよく知ることができた。また、粉は新しい構造を作りやすいということも初めて知ることができた。

圧電体をみせてもらって振ると電気がでてすごかったです。
鉛は体に悪いそうです。
環境に優しい材料をつくるのをコンセプトとしているようです。
例えば廃棄物を有効活用。
新しい機能性材料は新しい新しい構造からできる。

機能性無機化合物

結晶も原子の配列がバラバラかまっすぐかで随分と見え方が違うということを知りました。またそれらのことから電気が流れやすいとかがわかりその性質を生かして材料に応用しているということを聞き、そういったことに応用するのかと感心しました。
ほかにも蛍光灯のしたでは水色をしているのに窓辺に持っていくと色が紫色になるような結晶もあり面白い性質があるなと思いました。
紫外線を当てると色が変わる石もあり、含有物によって結晶は様々な性質を示すことを知りました。

この研究室は色々な物質の単結晶を作って、その性質を調べているという。結晶とは構成する原子や分子が決まった形をした物質のことで、今日説明を受けた研究はその構造を決まった向きに揃えることで新たな性質を持たせるというものだった。ある一方校からは電流や磁気がよく通り、それ以外の方向からは通りにくい、あるいは全く通らない。ルビー以外にも高性能な結晶を作る物質を研究しており、酸化チタンや、バナジウム・ガドリニウム・ネオジムの混合物なども見せてもらった。酸化チタンはガラスなどよりも屈折率が高く、光ファイバーの光増幅器などに使われている。