近接場光を利用した新奇デバイスの創生

ナノ空間の光と電子で動く新機能機器

携帯電話やタブレットなど,電子機器が生活を便利にしています.それらの機器の中では,10億分の1メートルを単位にして測るような領域,ナノ空間で,電子が動いて様々な機能を生み出しています.私たちの研究室では,その電子にさらに「ナノ空間の光」を組み合わせることで,省エネルギー・高セキュリティーで,電子だけでは生み出せなかった複雑な機能を持つ機器を実現する研究をしています.

近接場光デバイス

鍵は「ナノ空間の光」=近接場光

「ナノ空間の光」(近接場光と呼ばれます)を通じて,あちらの半導体の中の電子の動きがこちらの半導体の中の電子の動きに影響を及ぼすというような相互関係を,ナノ空間に生み出すことができます.これを近接場光相互作用といいます.この相互作用は,私たちが普通に光と呼んでいる光の波が形成される距離である1マイクロメートル程度の範囲の中で,複雑に重なりあって階層的な関係性を生み出します.

研究室では,近接場光相互作用の基礎的性質,そして微細構造を作りこんだデバイスの新機能を走査型プローブ顕微鏡という装置により解明する実験と,さらにそれらを使いこなす理論の研究を同時に進めています.