つれづれ草紙 仔細是非無

  
 

ボタンを押すだけ
  なんでも簡単になる時代です,ボタンをそだけで”チン!”とご飯ができます.本当に便利です!
  科学技術の分野では,計測や実験は不可欠ですが,これも押すだけでよいような錯覚を覚えます. ボタンを押すだけでかなり高度な計測をしてくれ,なんだか凄い研究をしているように感じさせてくれます. かつてのある技術系の企業において部長さんが,
. 「ボタン押しになるな!」
といって盛んに,若者(バカ者?)に檄をとばしていました. 高いお金をだして働いてもらうのは,「”ボタンを押すひと”が欲しいからではないのだ」ということです, 現象の背後をよく考えて自分で製品開発を見つけてほしいという真意だと思います.
  ある学生さんに,実験用の資料を作ってもらいました.規格を調べて加工依頼をするものです. 寸法が違っていました.その時に理由を尋ねると,「最終的には先生の判断だ」ということでした. なるほどと思いますが,「穴ひとつ開けられないのか」との愚痴もでます.
  最近,かつてのこの上司のかたの活躍を雑誌で見ました. ある有名な国立大学を定年退職されたのですが,アラブやシンガポールから 資金を調達して新規に技術開発を実践していらしゃいます. なんだか嬉しい限りです.   2008.4.21




シュレーゲルアオガエル
 山梨には八島が原湿原という日本でも有数の湿原があります. ここは,自動車道路が整備されているので茅野駅からバスで簡単に行くことができます. 自動車道路は自然を破壊する様な 気もするのでちょっと残念ですが,ともかく甲府からでもすぐつけます. 上の写真はそこのビジターセンタで手に入れたシュレーゲルアオガエルという蛙のバッチです. ”日本の音百選”に選ばれた蛙で,この前の6月に湿原へ行ったときもなき声が聞けました. 別に美しい泣き声ではないのですが懐かしいような感じです.背景の写真にも同じバッチがあります. 車山から八島が原湿原までは良いハイキングコースになってるのです. なんだか疲れたらこの湿原を訪ねたくなります. 皆さんもどうですか.
ちなみに,この蛙は上野動物園でも見る事ができます.上の写真が実際に撮影したものです. 上野駅に立ち寄ったついでに時間があるなら訪ねてください.声を聞けるかも知れません. 勿論, 八島が原湿原が本場です. 2006.8.5(2008.10.6改訂)

変人と想像性
  近頃,グレゴリー・ぺルマンというロシアの数学者が話題です. 賞金がかかった数学の難問を解決したのに,100万ドルの賞金を受け取ろうとはしない人物として紹介されています. ちょっと変わった人らしいのですが,拝金主義がはびこる世の中へのアンチテーゼとも, やせ我慢の素浪人にも見えます.
いずれにしても,ちょっと変った人が創造性があるというのは幾つか実例があります. あのアインシュタインも変人だったとも言われますが,電子回路のワイドラーと言う人もその一人です. 集積回路のインターフェイス規格にECL100Kというのがあるのですが, この規格の元になったワイドラー結線という回路方式を発明した人です. アナログ回路の教科書に掲載されていますし,電子式温度センサもこの回路を使用しています. 米国学会の一つであるIEEEがあり,多くの人がこの会員になっています. しかし,彼の場合この会員でもなかったのにIEEE誌上で話題になっていたそうです.
 逆に変人だから創造性に富んでいる訳ではないようので注意が必要です.  2006.9.5

学生気質
 古今東西,いろいろな人が居ます.私が接した学生さんは総勢千人ぐらいだとと思いますが十人十色でした. 一言ではとうてい表現できないのですが,2つに類型化してみます.なんでも「分かってますよ」という狐学生さんと, すぐ「知らない」と言う狸学生さんです.ここで,狐狸には別に意味はありません.私は狐かも知れませんが,ときにしらを切る狸かも知れません. あなたはどちらですか?ある口述試験での様子です.

   試験官A: 「『キュウソ(窮鼠)猫を噛む』について説明してください.」
   狐学生: 「はい,それは『キュウス(急須)が,猫を噛む』なんて馬鹿げたことは決して起こらないということです.」
   試験官B: 「なかなかの,迷解ですね.」
   狐学生: 「それほどでもありません.(イヒッ うまくいったな!)」

もう一つ口述試験風景です.

   試験官A: 「『テイラー展開』について説明してください.」
   狸学生: 「すみません,忘れました.2項展開なら聞いたことがあるのですが.」
   試験官A: 「テイラー展開の,具体例が2項展開ですよ.」
   狸学生: 「ああ,そうだったのすか.(これで,半分はもらえるな!)」

  何でも分かっている人は,人の話を聞かないのである点で限界に達しそうです. 何も知らない人は,人を頼みにするあまり新境地を開拓できそうにありません. 結局は,バランス感覚ではないでしょうか. 2006.9.1

大学で過ごす
 近頃,「大学で学ぶとは」という本がでていたのですが,それはそれで参考にはなるかも しれませんが「そんなの自分で決めて欲しい・・・」という感想です. 昔,小此木先生というかたが「モラトリアム」というアメリカうまれの心理学用語を元に, 大学に漂う学生の心理を解析されていてなるほどと思ったのですが, 最近は,どう解析すると良いのでしょうか?    当時は, 大学紛争の収束した時期で,学生のあいだに得体の知れない挫 折感があり”三無主義”と呼ばれていました.    「モラトリアム」,「自分探し」,「資格取得」,「学究」etc なん でも良いですから自分で決めて欲しいです. その上で,「学問」をできるのが 大学ではないでしょうか. あと,理工系は評価が比較的明確で遊んで卒業で きるところではないです. 日本では,卒業率を文部省が管理しているようですが,カナダのある有名大学 の化学系のコースでは,卒業する人が30%とのことでした.卒業しない人 もいるらしいですが興味が移ると比較的簡単にコースを変えてしまうらしいのです. どちらが良いという訳ではありません. まだまだ移ることに抵抗もあるようです. 単なる参考です. 2006.8.5
企業の研究所と大学
 昔,企業の研究所で電子機器を設計・研究をしていました. 自分が伝票に印鑑をおしていた研究費でも2千万円ぐらいでした. この他人材の豊富さなどからいっても研究環境は非常にすばらしいと思います. 最近は,論文の出版費も捻出できないと嘆くことしきりですが,それは別の話です. 企業にいた時は,自由に研究がしたいとの思いがいつもありました. 大学は,”学問の自由”が保障されているのが大きな魅力です. 最近は”自由”の弊害を議論されることも多いですがこの特徴を失った大学に は学生も教員も誰も集まらなくなるような気がしています.
私が勤務していた企業は,営業利益が上がらなくて危機に直面した時期がありました. その結果,不採算部門であった汎用電子計算機事業から撤退したのです. 私の周囲にもそのときに事業部間を転々とした経験をもつ人がいました. 「利益は太陽だ」という言葉が語り継がれていました. 大学では”利益”や”不採算部門”そして出向とは何かと最近考えてしまいます. 2006.8.6
 大学の法人化が決定したのは2000年ごろだったでしょうか.今後は大学が 自由に制度を決めることができると云われていました. 産学共同さえ学問の自由を阻害し政治の恣意的な介入を許してしまうと 警戒していた“古風″な教授陣はとうの昔に大学を去り,もともと企業からの 流出組が目立つ工学部に政府関係や政治家が目立つようになっています. また,最近は大学の制度を規定した政府関連文章が回覧されておりNHKの 解説委員の方もかつてなかったと感慨を述べていました. そのNHKすら政治に翻弄されているようです. 大学も利益を確保でき資金繰り(経営)を独自に行うことがでれば, 自治を実施できるのですがやはりお金を稼ぐのまた別のセンスのようです. 隠喩すると大学には大学の“利益の太陽”があるようです....

テスト
 イギリスのある大学では,試験は卒業試験のただ一度だけとのことです. 最近,半期ごとの定期試験では大変なのでで中間試験を実施して欲しいと学生さんからも要望があります. 必要なら実施した方がよいのかも知れませんが,一度にすべての内容で試験するものよいところがあります. それは,「体系的に科目を構成する」まさに実力がつくからです. 「算数ドリル」では,構成力は身につかないいと思います. 2006.8.6

キャラメル

美味しくなくとも話題になる食品が受けています. 写真は学生さんが旭川空港でお土産にと買ってきくれたキャラメルです. それなりに美味しいものもありますが,妙なものもあります. 研究室のみんなでたべて中身がなくなった順番は,次のとうりです.
がごめ昆布>男爵>サッポロビール>ジンギスカン
美味しいものからなくなるとは限らないようです?ジンギスカンキャラメルはなかなかです . 2007.6.26

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