逆ミセル法によるナノ粒子作成

 界面活性剤の分子には疎水基と親水基があります。例えば油滴が界面活性剤に囲まれて水の中に分散している場合は、疎水基が内側となっていて、この状態をミセルと呼びます。その逆に水滴が界面活性剤に囲まれて油の中に分散している場合は、親水基が内側となっていて、この状態が逆ミセルです。有機溶媒中に水溶液を含む逆ミセルを作成し、その水滴の中で化学反応を行って微粒子を作る方法が逆ミセル法です。本研究室では逆ミセル法により、CdSなど半導体物質のナノ粒子を作成しています。
 図1は有機溶媒中に逆ミセルが分散している様子を描いた概念図です。有機溶媒中の直方体の領域を切り出したものと見て下さい。ピンクの球が逆ミセルを表しています。その大きさは作成条件に依るのですが、研究室で作成しているものは直径10nm程度と推定されます。逆ミセル断面を模式的に表したのが図2です。ピンクが界面活性剤の膜、水色が水溶液、青が析出したナノ粒子を表しています。

有機溶媒中に分散する逆ミセル
図1

逆ミセル断面模式図
図2


渡辺研究室
渡辺研究室
山梨大学工学部先端材料理工学科